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イギリスとフランスのアロマの違いを国民性から考えてみました

株式会社メドウズアロマテラピープロダクツの鈴木 壮哉です。今日もどんよりとした雲が広がり気温も上がらず肌寒い1日です。皆様がいらっしゃるところはいかがでしょうか。

 

さて、アロマテラピーをされる方でたびたび話題になる

「イギリスとイギリスのアロマテラピーはどう違うのか。」

「アロマテラピーの本場はフランスかイギリスか。」

皆様も一度は耳にされたことがあるテーマだと思います。

 

ガットフォセ博士が見つけた精油の効果をジャン・バルネ医師が医療現場に導入し、その後マルグリット・モーリー女史がアロマトリートメントの道を開いた。つまり3人のフランス人が現代のアロマテラピーの基礎を確立したとアロマテラピーの歴史では解説されます。

 

私は今回フランスとイギリスを訪れ、自分なりに両国でのアロマテラピーの意義を考えてみました。

 

10月26日、私はパリフランスにあるオーガニック商品のみを販売するスーパーマーケットを訪れました。

 

 

お店の外観がかわいいですね!

 

野菜、チーズ、乳製品などの食品と並び、少し壁で仕切られてシャンプーや化粧品のコーナーがあり、必ずエッセンシャルオイルがケースに入れられて販売されていました。販売されているブランドは日本でもなじみのプラナロムとフローラムが多いように見受けられました。

 

すると、あるご婦人がケースに近づきご自分で精油を選んでレジに持っていかれました。あまりにも違和感のない所作に私は大変驚きました。それから街中を気をつけてみてみると、薬局、雑貨店等数多くのところで精油の販売を目にすることができます。

 

対するイギリスイギリスですが、やはりオーガニックの国だけあり専門店は存在しますがあくまでも食品が中心。エッセンシャルオイルも陳列されていましたが、1ブランド15種類程度とフランスに比べると種類は限られます。

 

 

イギリスのオーガニック専門店、プラネットオーガニック。

 

メドウズの地元カンタベリーにあるオーガニック専門のスーパーマーケットではほぼ全種類のメドウズ商品が販売されていますが、これだけのラインナップをそろえているところは逆に珍しいかもしれません。

 

メドウズのエッセンシャルオイル、キャリアオイル、フローラルウォーター等が販売されています。

 

この両国の違いを私は健康に対する考え方、新しいものを受け入れるスタンスが違うことが原因のひとつではないかと考えました。

 

イギリスの首都ロンドンで真っ先に思い浮かぶ建物は国会議事堂のビッグベンとテムズ川に架かる橋タワーブリッジだと思います。しかし、伝統を重んじる国でありながらロンドンアイのような観覧車、高さ310mのヨーロッパ(EU圏)で一番高いビル、ザ・シャードがあるなど古いものと新しいものが共存した街並みが特徴です。

 

ロンドンの街並み。奥に見える観覧車がロンドンアイ。

テムズ川沿いには近代的なビルや高価なマンションが立ち並ぶ。

 

 

テムズ川流域の再開発。奇抜なデザインのアリーナ。

 

タワーブリッジ

 

また食生活では、ベジタリアンの中でも、完全菜食主義者を意味するVegan(ビィーガン)がイギリスで生まれており、アレルギーで悩む方への食事の対応は一歩も二歩も進んでいます。街中でもグルテンフリーのパンは容易に手に入り、牛乳を使わないチーズや卵を使わないアイスクリームなども多く新しいトレンド、技術と共に人々の健康を生み出していくパワーのようなものを感じます。

 

ロンドンのVegan Festival(ビーガンフェスティバル)で見かけた菜食主義者用のチーズ。

 

 

とてもおいしい!

 

それまで代替医療としてホメオパシーが盛んだったイギリスに、フランスからアロマテラピーが持ち込まれても新しいものを柔軟に受け入れる素地があるイギリスだったからこそ、マルグリット・モーリー女史が提唱したトリートメントを中心に発展していったのではないでしょうか。ホリスティック(全体的)という言葉がイギリスのアロマテラピーを語るときによく用いられますが、まさにアロマテラピーだけでなくその他の療法も併用しながら全体的に人々の健康を整えていくことがイギリスのアロマテラピーのような感じを受けました。

 

一方のフランス。昔からの建物が残るパリは、制限により近代的なビルを特定地域には建てることができません。昔からのものを愛し、守り、次代へ伝えていくことに強いこだわりを持ち、あのエッフェル塔ですらその姿が美しくないと建築当初は大きな批判が生まれ、作家モーパッサンは新聞に批判広告を掲載しています。

 

凱旋門から写したシャンゼリゼ通り。

ロンドンとは異なり、新しいビルや高い建物はほとんど見当たりません。

 

現代でもフランス人にエッフェル塔はあまり人気がありません。

 

また、道に目を凝らすとイギリスで多く見かけるドイツ車も控えめになりやはりルノーやプジョーなどのフランス車、それも年季を重ねたものも多く見かけます。これがプロヴァンスのような地方に行くとますますその濃度は増し、不便さよりもフランス人らしさを人々は楽しんでいるように思えます。

 

フランスは共和国制を敷いており、主権は国民にあります。フランス革命を経て人々が「自由」を勝ち取った賜物であり、アメリカの独立宣言や日本国憲法の国民主権や基本的人権もまさにこのフランスの考え方を根底としています。それだけ、個人というものに意識が強いフランスでは、愛する人と共に自分の人生を誰に干渉されることなく楽しむという生き方が強く、だからこそ自分の信じた昔からの価値観を簡単に翻すことはありません。いわば新しいものを受け入れるというよりは、本質を変化させることなく今現在あるものを進化(深化)させ、より快適な環境を自分で作りだしていく気質が強いのかもしれません。

 

人々が自由を勝ち取ったフランス革命の舞台。ヴェルサイユ宮殿。

 

昨年、パリのレストランがイスラム教を信じるベルギー人に襲撃され多くの人が命を落とした痛ましい事件では、

フランス人が最も大切にする自由と正義に対する挑戦だと国民が一致団結して立ち上がりました。

 

フランスの医療は進んでおり、公的保険により費用も低く抑えられています。日本と違い、患者が保有するICカードにカルテが記録されており、どの病院でもそのICカードから経過を観察することができます。日本よりある意味進んでいますが、それでもアロマテラピーのような代替療法を多く利用する人がいるのも事実です。しかも、誰かに教わるとかではなく、積極的に自分で調べ自分の責任において購入し、利用する。フランスでは法律により精油の使い方が制限されていますが、それでも経口(飲用)は認められています。

 

肥沃な土壌。プロヴァンス。

 

EUの穀倉と呼ばれるくらい国土が肥沃で農産物の栽培が盛んなフランス。その中でもプロヴァンス地方はオリーブやラベンダーの栽培が盛んで今でも多くの畑や蒸留所が残ります。またワイン用のブドウの栽培も盛んでロゼワインの多くはここプロヴァンスで栽培されたブドウが使用されています。

 

プロヴァンスにある蒸留所を訪れ、話を聞いたときに、家族経営で約80年の歴史があるとおっしゃっていました。プロヴァンスのラベンダーに愛着と誇りを持ち、これからも良質な精油を作り続けていくことがまさに生きがいのようでした。

 

 

 

 

 

フランスで栽培された作物を地元で蒸留し、生まれたエッセンシャルオイルから発展したアロマテラピー。それはまさに人々が大切にしている「フランス人」としてのこだわりの結晶なのかもしれません。医療技術が進んでも、自分で解決できる問題は昔からのフランス人の知恵で乗り切る。そのようなプライドをフランスを訪れて感じました。

 

私はフランスとイギリスのアロマテラピーに甲乙をつけることが目的ではありません。昨日、メドウズのセラピストである関とこのような話をしながら、「自分の考えとして両者の立場や背景を知るとアロマテラピーの違った一面が見えて面白いね」と感じたことをブログに書いてみました。

 

日本のアロマテラピーは法律的な制限からイギリス的な要素が強いものの、やはりフランスのメディカルな考え方で利用されている方も多くいわばいいとこどりかもしれません。植物が持つ力を自身の健康に生かすことに変わりはなく、それぞれがそれぞれの方法でアロマテラピーを楽しんでいただければサプライヤーとしてはうれしく思います。

 

なお、いつものようにここに書かれていることは100%私の主観であり、確たる根拠はありませんのであらかじめご承知おきください。
 

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